2020.03.16

Change changes CHANGE

『女性のキャリアを阻害する12の悪癖』
1. 自分の実績をきちんと言わない
2. 自分の仕事ぶりは他者が自然に気
3. づき報いてくれると期待する
4. 専門性を過大評価する
5. 人間関係を築くだけで活用しない
6. 初日から協力者を得ようとしない
7. キャリアより仕事を優先する
8. 完璧主義の罠に陥る
9. 喜ばせたい病
10. 矮小化する
11. やりすぎる
12. 反芻する
13. 自分のレーダーで注意散漫になる

これは、「コーチングの神様」といわれる、コーチによる書籍からの抜粋です。(※)

女性のキャリアを阻害する「悪癖」なんて言われると、むっとしちゃいますね
プンッ

深呼吸深呼吸・・・笑

読者の興味を惹きつけるための、極端な表現もあるでしょう。

そうであったとしても、女性として、コーチとして、意見させて頂きたい点が3つ。

一つ目
男性のリーダーにだって、多くみられる「悪癖」も結構入ってますけど。

二つ目
変化って、どっちか一方だけが担うものだっけ?

え?
口調がケンカ腰? 笑

三つ目
これは、個人的な思いですが、、、
「女性の」というような、人をひとくくりにしちゃうようなことを、「コーチ」を名乗る人に書いてほしくなかったな~ 涙涙涙
「コーチ」は「その人」を大事にします。
人をカテゴライズした瞬間、目の前の人を失ってしまうものです。

読者にとって分かりやすく、役に立ちやすくするための工夫だと思います。はい。

さて、今日ここで、特に取り上げたいのは、2つ目のポイント。
変化は片方にだけに求めるものではないんじゃないか、という点です。

女性のキャリア開発は何のためか?

働きたい女性のため、それはそう。
差別的なことはよくない、それもそう。

ですが、この数年ダイバーシティは、企業における緊急度、重要度共により強く求められているように感じます。

生物は、生存力の強い種が生き残ることになっています。

食物連鎖の中で、逃げ足の速いシマウマばかりなら、肉食獣が滅びます。
逃げ足の速いシマウマがいないと、シマウマという種が絶滅してしまいます。

人間にも4種の血液型があります。
血液型によって、かかりやすい病気に違いがあるとも言われています。
(実際の我々の生活環境は複雑で、病気の因子も多様すぎ、一概に血液型のみで病気への対抗力の強弱は判断できないとされています。)

個は、それぞれの特徴を持っています。
これは、「種の存続」という大きな目標を達成するための、手段のひとつです。
個体が集まって多様性を有する。
これにより、危機的事態に遭遇したとき、その事態に強い特徴を持つ一部を存続させ、「種」の存続を守る。

多様性は、種のサバイバルシステムなのです。

そうすると、多様化を求める時とは、もはや一つの種では生き残れない、と察知した時とも考えられます。

これは、企業組織にも今言えることです。
VUCAといわれる時代、今までのものの見方や行動パターンの延長に、継続的な成長が見えなくなってきました。
多角的な視点、臨機応変さ、柔軟性、主体性が問われます。

組織全体が迅速に変化するには、今の組織にはない見方や行動パターンを持つ人を入れ、それを受容する方が速い、と考えられます。

ダイバーシティの目的をそう捉えると、
変化の誘発を期待される「女性」に、既存の仕組になじむための変化を求めるのはナンセンスに感じます。

もちろん、これは極端な表現です。
反発し合っているだけでは、力が一つに集約しません。
共創できる関係性を築くため、常識のことながら女性側の努力も必要です。
実際、「悪癖」の中には、深く納得し、自省させられることも少なからず、あります。

ただ、繰り返しになりますが、一方だけが変わって他方と融合することは、多様性ではありません。
ある「異なる種」を入れることにより、双方が相手に合わせたり反発したり、
話し合ったり考えたりしながら変化する過程で、「新しいカタチ」を生み出すことが多様性の受容だと思います。

女性が変わっても、男性側が変わらなければガラスの天井は存在し続けます。

社員が変わっても、経営者が変わらなければ業績は上がりません。

上司が変わっても、部下が変わらなければ生産性は上がりません。

関係する全員が、自分事として主体的に、自分にできることを考え行動することがダイバーシティの鍵です。

皆さんの組織にも、何らかの変化を促す活動があるはずです。

私にできること。
そのことにすでに取り組んでいらっしゃる方のチャレンジを、心から応援したいです。

COVID-19への対応も、「人間、素晴らしかったよね」と皆で振返れるよう、日々の行動を選択したいですね。
人類という「種」の一員として。

※出典:
How women rise
(邦訳)コーチングの神様が教える「できる女」の法則
サリー・ヘルゲセン&マーシャル・ゴールドスミス 著