基本的に私たちは、無駄なことに時間を費やしたり、周囲に適合できず不安な思いを抱いたりするよりも、安定した、安心に包まれた環境で日々晴れやかに幸せに過ごしたいと思います。
組織においても、主力商品が未来永劫右肩上がりでいてくれれば、より新しいチャンレンジにエネルギーを投入でき、働く社員も組織としても健全でいられると思いたくなります。
しかしながら、現実には、人生にも企業の営みにおいても、多くのトランジションを経験します。
トランジションには、内発的な要因により起こすものと、外部要因により巻き込まれ起こさざるを得ないものと、大きく二つに分けられると考えられます。
例えば、人生においては、留学や転職など、将来のために起こすトランジション、企業においては新規事業開拓やM&Aなど、組織の成長のために起こすトランジションなどは、自ら何らかの目的・ビジョンのために内発的なエネルギーにより主体的に起こすものです。
外部要因によるトランジションとしては、例えば、人生における不本意な異動や、企業における経済不況や災害などによる急激な売上低迷などが考えられます。(
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外部要因によるトランジションはもとより、内発的要因により起こすトランジションでさえ、実施行動してみると、状況が読めず止まってしまうこと、知らないが故の失敗、漠然とした不安、想定外の厳しさなどに直面し、そのプロセスは平たんで順調であることのほうが稀有です。
そんな時、私たちは目的を見失い、目の前のうまくいかないこと、自分が置かれているアンラッキーで不運な(と、実は自分が思っている)事柄に巻き込まれ、必要以上に消耗してしまうことが少なくありません。
それは、エネルギーの消耗と、時間的コスト、事業においては物理的なコストを生み出します。
トランジションのプロセスは、障害や自分への挑戦がたくさんあり、そこにどのような目的と意味を自ら見出し、行動を継続していけるかという点に、成否の分かれ道があるのです。
※ 外部要因によるトランジションが必ずしもネガティブなもの、マイナスとなるものばかりではありませんが、ここでは適応することがいやおうなしに求められるもの、という意味合いを分かりやすくするため、不本意と思われやすい事象を例としてあげております。